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          自閉症・知的障害者のための音楽教室
          ▼「政田由紀ピアノ教室」
「ただ単に人が好きだからできるんですよね。」そういって明るく笑う。
この言葉と笑顔で全てが収まってしまいそうな雰囲気になる。
「自閉症や知的障害者のための音楽教室」も ひらいているピアノの先生、といった先入観が消し飛んだ。
「右手と左手があることを理解してくれるのに一年以上かかることもあるんですよ。障害の程度によってばらばらですが、喋ることも出来ない、手を叩くことも出来ない子供もいます。音楽教室ってなってますけど、ピアノに障ったり、音楽にあわせて何かをしたりって出来るまでに、何年もかかることも珍しくないんです。その子に自分で手が叩けることや字や絵を見て何かを感じてもらうことから始めないといけないんで、ホントにすごく気長にやらないといけないんですよ。ピアノや音楽に入る前にそんな健常者にしたら極普通なことを理解してもらうことの大変さが、私にとっては大切なんです。」
「自閉症・知的障害児のための音楽教室」を取り上げているが、「政田由紀ピアノ教室」で健常者のピアノの先生として教えている生徒数の方がずっと多い。ピアノ教室に来る生徒の年齢も幼児から30代半ばまでと幅広く、その人たちと恋愛や進路などの話をしたり、もっと高レベルなところに向かわせるレッスンをすることももちろん好きだという。でも、純真で、純情な障害児と一緒に物事と感じることの大変さと変化を感じられたときの喜びは通常のレッスンにはないものだからといって障害児のための音楽教室にこだわる。
健常者の子供を教えるのと同じような感覚で教えて失敗したこと、何を考えていてどうしたいのかがわからず行き詰ってしまったこと、そんな失敗をいくつか重ねるうちに、「どんな人でも来なさいと思えるようになった」と笑う。
健常者を教えるときも障害児を教えるときも基本は一対一。一人一人の個性とやる気を汲み取らないとレッスンが出来ない。表現の方法を知らない障害児たちの意を汲むことはきっと至難の業だ。それでも障害児と向き合うときには親が関わらないようにして、障害児たちと立てたそのレッスンでの目標を一緒に達成する。達成できたときの喜びを話す様子を見ていると、レッスンを受けている障害児の生徒よりもこの先生の方が喜んでいるに違いない。
何気ないような行動やしぐさから感じ取れる成長の大切さを知っている先生は、健常者の子供を持つ母でもある。スリムな人だが、肝っ玉母さんのような、誰に対してもおおらかで温かみのあるお母さんといった感じなのだが、「あなたには障害児を持った親の気持ちなんてわからない」といわれたこともあったらしい。その言葉をいつも胸において障害児や親に接している。また子供が休みでも親だけが話をしに来ることも。健常者と障害児、あるいはその親の中間に立たなければいけないので、親との対話もレッスンの一つかもしれない。
友達が作ってくれたホームページがかなり立派なのも、作った人が彼女の頑張りを応援したいと思ったからに違いない。彼女のやる気は、周りの人に影響を与えないではいられないくらいに強いものなのだろう。
そのホームページを見て、岡山からでも人が来る。自閉症や知的障害者のために何かをしてあげられる施設がまだまだ少ないため、遠方からでも訪ねてくることになる。教室は学研都市線(片町線)の放出(はなてん)と天六の2校あるが、2校をひとりで見ている。出来ることなら何人かを一緒にして、一人一人の時とは違ったコミュニケーションを試みたいらしいが、都合がつかない。今までの経験を生かして障害児と向き合える先生をどんどん増やしていくことが夢だという。その夢のために今日もまた新しい成長を誰かに見出しているに違いない。
ただ楽器としてのピアノの弾き方を教えるだけではなくて、音楽を通して人と触れ合うこと、そして音楽の力を与えること、それを教えてくれる教室は、今日も優しく、そして明るい音に包まれている。

 
Yuki先生からの一言
"今後の夢と野望について"
障害児を受け持って数年・・
子どもたちの可能性や純粋な表現にこちらが勉強させられる事が多々あります。
まだまだ社会との壁があり、習い事もままならないと聞きます。
音楽教室ってなんぼのもん?!って感じがずっとしていました。
色々な子どもたちがいろんな音楽に触れていけるような開かれた音楽教室を目指し、またそのような指導者が増える様に活動していきたいと思います。

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「政田由紀ピアノ教室」
東大阪教室  東大阪市森河内東2‐31‐6  Tel & Fax 06-6782-5995
天六教室   大阪市北区本庄東1‐18‐8 イーズビル2F
URL:http://www5.ocn.ne.jp/~yuuyuu7/
教室へのアクセス方法や、授業内容はホームページに詳しくでています。




 

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