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レポート


「生駒山初日の出ハイキング」レポート

コンビニやスーパーを始め正月も関係なく営業している店も多く、厳かな雰囲気の正月という意識が薄れていく中、正月らしいものを求めて2004年のハイキングレポートは初日の出から。
今年は10年に一度といわれるくらいきれいな初日の出が見られるということなので、夜を徹して生駒山に行ってきました。


鶴橋駅から近鉄奈良線に乗って生駒まで。通常だったら始発電車になる時間。生駒までは約20分くらい。生駒駅で降りて、ケーブルカーに乗り換えるために連絡通路に向かうと、大勢の人がその通路を我先にと歩いていく。やはり初日の出見物の人は多い模様。こんなに人出があるのに連絡通路途中のビルの店舗とかが閉まっている。開いているなら「初お茶」でもして体を温めてからケーブルカーに乗ろうと思っていたので少し残念。結構長い通路を通ってケーブルカーの麓側の駅「鳥居前駅」に着くと臨時の発券窓口もいっぱいなくらい乗車券を買う人の列が出来ていた。このケーブルカーは元々山頂に行くために敷かれたケーブルカーではなく、生駒山の中腹にある宝山寺への参拝者を運ぶためのもの。山頂に行くには、宝山寺で乗換えが必要。350円の山頂までの切符を買って、猫の姿にペインティングされたミケ号に乗り込む。すでにすし詰め状態。このケーブルカーの面白い点は、すぐ脇に生駒の奈良側の山腹に建てられた住宅に面した道路が走っていること。時々車との競争をしているようになる。
5分以上かかって到着した宝山寺は大きな駅で、ここで降りる人も結構いることからしてこのケーブルカーが地域住民の大切な足になっていることがわかる。
階段を上って停車している車両に乗り換える。この車両では、さっきより混んでいるような気がする。ここから山頂までには間に2つの駅がある。でもこの便は山頂直行便なので駅を通過していく。鳥居前駅から山頂駅に着くまで30分ほどかかっている。
駅につくころには、東の空が少し青みがかってきていた。

 

改札を出て東側の広場に出ると、もうすでに何百の人影。三重県側の山並みの輪郭が赤みを帯び徐々にはっきりし始める中、奈良盆地に広がる町並みのきれいな夜景がまだ見られた。日が昇るポイントを予想して、一番よく見えそうなところにたたずんで夜明けまでの一番寒く感じられる時間を震えながら過ごした。時間が経つにつれて夜が白み始め、人の数も数倍に増えてきた。わいわいと賑やかだった広場を埋め尽くした千人以上の人も、7時を回ると静かになっていく。いよいよ山の頂が明るくなり、白い太陽の光がうっすら差すと、広場の人がそれぞれに木や前の人の頭が邪魔にならない場所に足早にどっと動く。そしてついに太陽の姿が確認できると歓声があちこちで上がった。見る見るうちに太陽の姿がはっきりしてくる。携帯で写真を撮る人の手がいっせいに挙がった。5分もしないうちにすっかり登りきってしまい、明るい朝になっていた。

 
 

生駒での日の出見物の楽しみはまだある。すぐに山上遊園(ゲートもなく入園無料)の中を通り抜けて大阪を見渡せる場所に行くと、大阪平野はまだ薄暗い。そう、今度は山の上から大阪平野の夜明けを見ることが出来る。
ここでじっくり夜明けを眺めるにはちょっと寒かったので、ハイキングコースを下りながら夜明けを見ていくことにする。大阪平野側に降りていくコースは近鉄の額田駅に出るか石切駅に出るかが一般的。府民の森「ぬかた園地」を通って石切駅に向かうコースにする。

 

山上遊園の駐車場に出る階段を下り、駐車場手前のガードレールの切れ間から生駒ドライブウェイを横切るとハイキングコースの看板がある。ガードレールに沿って歩くと案内板があり、ここからハイキングコース。石切駅3キロの矢印。手すり代わりに鎖の張られた階段から始まるが、前日に降った雨のせいで、よく滑る。よく考えてみると帰りもケーブルカーで帰ろうと思っていたので底がつるつるのスニーカーを履いている。気をつけないといけないと思っている先から滑ってころんだ。階段を下りてからも、岩場の道だったり、石畳だったり、落ち葉が積もっていたりして、そればみな濡れているのでよく滑る。靴一つのことで、こんなにも疲れるものかと改めて思う。何度か舗装された道を横切り、ハイキングコースの標識に従って下る。林の木々の間から、新年の朝を迎えた大阪平野が見える。ビルの側面が赤く色づいているのがきれいだ。

 

下りのちょうど中間地点ぐらいに林の中の一軒寺、興法寺がある。興法寺参道の苔むした長い石段を、新年の法要でもあるのか夜が明けたばかりのこの時間にも参拝者がやってくる。その人たちにすれ違いに会釈しながら下る。ここから少し行けば舗装路に出て、また少し行けば住宅街に入る。でもここから駅までが結構長い。住宅街の中の道なのに、どうしてこうも急な坂なんだろうと思ってしまう。それに車がすれ違うのも大変なくらい狭い道幅。右手には小さな川が流れている。水の流れているところはかなり下だが、そのせせらぎが聞こえてくる。新年の夜明けの雰囲気にはちょうどいい。そんなことを考えて歩いていくと、少しずつ家の数が増えてきて、ちらほら見える人の会話も動きもゆったりしていて、お正月ののんびりした雰囲気が町の中から漂ってくる。そういえば、駅に出ればそこは石切神社の参道なので、初詣の人も結構来ているかもしれない。列車の音が聞こえ、その姿が確認できるところまで降りてくると、初詣に出かけていた人たちとすれ違うようになって来た。もう駅はすぐそこ。生駒山頂から1時間ちょっとの初歩きになった。

 







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