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レポート


「奈良若草山に大人の遠足」

奈良がブームらしいです。そう聞いて久しぶりに奈良にちょこっと歩きに行ってみようということになりました。飛鳥や山の辺の道もいいけど、もっと遠足気分という方のために、奈良公園のすぐ横にある、あの山焼きで有名な若草山を案内しましょう。


スタートは近鉄鶴橋駅の奈良方面ホーム。そこに行くのにJRの環状線を使って行ったら、確かに駅に置いているパンフレットに奈良や大和といったものが多いように感じます。これは去年から行われているキャンペーンらしくて、その成果が出ているかもしれないとJRの駅員さんの話。この奈良ブームはいかにもJRが仕掛けたものだと言いたげ。

奈良までは近鉄の急行を利用して約50分。東大寺方面の矢印に従って通路を通り階段を上ります。地上に出ると駅前の商店街のアーケードを右手に見て、坂を上っていきます。奈良そごうの後に入ったスーパーに来る買い物客の駐車場待ちの車で駅前の幹線道路はいつも渋滞しているといったニュースが流れていましたが、車の整理がうまくついたのか、そのスーパーの人気が一時のブームだったのか、幹線道を歩きながら見た限りではそんなにひどい渋滞は無いみたい。坂道を少し歩くとだんだんと奈良らしさを感じ始められるようになってきます。多分低い建物の並びと広い道が遠くの寺院や山並みを見せているせいもあるのでしょうが、それ以上に奈良らしさを感じさせてくれるのは間違いなく鹿の匂いが漂ってくるということ。

駅から5分くらいで奈良公園につき、鹿の親子の姿を見ることができます。春は鹿の出産の季節で、公園を少し離れた山の草陰に行けば、生まれたての小鹿を目にすることもあるかもしれません。晩秋には角を刈られた鹿たちの姿を見ることになります。奈良公園は帰りにゆっくり寄れるので、鹿せんべいを持って鹿に寄り付かれ逃げ回るのもそこそこに東大寺方面に向かいましょう。

通りを挟んで北に県庁、南に興福寺の国宝館を見て過ぎ、地下道をくぐりるとすぐに右手に国立博物館があります。そこを過ぎると通りの反対側が賑わっている場所に出ます。これが「奈良の大仏」さんが鎮座する「東大寺」の参道。せっかく奈良に来たのですから奈良の大仏さんは見ておくことにしましょう。関西で生まれ育った人でも、遠足などで見た以外、奈良の大仏さんを見たという人は少ないみたいです。あなたはどうですか?

 

信号を渡って軒を連ねた土産物屋や屋台の間を進みます。東大寺の入り口「南大門」には最近修復が終わった運慶と快慶の作と伝えられる阿形と吽(うん)形二体の巨大な仁王像があり、その迫力には本当に圧倒されます。南大門を入り、正面の世界最大の木造建築「大仏殿」の威風堂々としている様を観察しながら中門の左手の参拝者入り口で参拝料を支払って入ります。子供のときに見たから大きかっただけで本当はそんなに大きくないかもしれないなどと思う人もいるかもしれませんが、目の前に鎮座している大仏はやっぱりすごく大きいです。ぐるっと左手から大仏の後ろを通るようにして一周する見学コースが自然にできているので、その人の流れにのって進みます。最後の方で、柱の下の部分にある四角い穴を子供たちが並んでくぐっていますが、この穴の大きさが大仏の鼻の穴の大きさといわれています。大仏殿を出て奈良に春を告げるお水取りで有名な「二月堂」やシルクロードの東の果ての宝箱「正倉院」を見に行くのもいいです。ただ今回は若草山がメインなので、そっちに向かいましょう。中門を出たところを左(東)に向かい、手向山八幡宮に出て、その壁沿いに南にいくと「若草山」の案内板があります。舗装路に出て、左に曲がったところに芝スキーが出来そうな斜面がありますがそれが若草山です。

 

若草山に入るには入山料が要ります。大人150円。気を抜くと転がり落ちそうな急な芝の斜面を草木の茂った30メートルほど先のフェンスのところまで上るだけでもハードですが、目指すは若草山山頂。一番端に付いた階段を上ります。第一目標の一重目に15分くらいで付きます。ここでも奈良盆地を見渡せるすがすがしさを感じられますが、道はまだ続き、二重目、そして山頂の入場口を通って三重目の山頂。ここには若草山ドライブウェイで車に乗ってもこれますが、ちょっとは苦労して見る景色がいいものです。運動不足の体には、ちょうどいい汗をかける距離かもしれません。ただここも鹿のフンだらけでベンチ以外に座れる所が無いのが悲しいです。もちろん鹿せんべいは売ってます。山頂には鶯塚古墳というのがありそこが実際には一番高いところ。古墳ですが誰も気にすることなくその上から眺望を楽しんでます。入り口からこの山頂まで登って、また休み無く来た道を引き返せば1時間でいけるコース。でも、のんびりしたいですよね。標高342メートルしかないとは思えないくらいの絶景ですよ。まあ、下ってから入り口前のお店で何かを飲み食いしながらくつろぐのもいいですけど。

 

若草山を下りると次の目的地は「春日大社」。若草山の入り口に並んだお土産屋さんの通りを抜けるとすぐに着いてしまいます。奈良で一番の神社は、やはり大きくて威厳があります。裏山は歌に詠まれる春日山で、春日原生林として学術的にも貴重な山です。参拝所から神殿に向かうには参拝料がかかります。参拝所から正面の鳥居をくぐり表参道に出ます。広い参道の両側に新しいものや古いもの、大きさやつくりもまちまちな石灯籠が並んでいます。かつての豪商や大名、明治以降の実業家などが寄進したものです。一つ一つ興味を持ってそれを見ていると飽きないのですが、それに興味のない人にはこの1キロに及ぶ表参道は長いかもしれません。今はこの表参道も奈良公園の一部になっています。

表参道の西の入り口「一の鳥居」からはもう自由時間ですね。そこらにいる鹿と戯れるもよし、南に折れて「浮見堂」を見に行くとか、そのまま真っ直ぐ行って亀がいっぱいいる「猿沢の池」に出るとか(でも、どちらの池も周辺の開発が進んでしまって、周囲をコンクリートで覆っているので、風情は感じられませんが)、天皇も宿泊した「奈良ホテル」で明治末期の建築と調度品を見ながらのんびりお茶を楽しむとか、興福寺の五重の塔などをみるなどするか、駅前の商店街でお土産を買うなどして時間を過ごします。夜になるのを待って、ライトアップされた夜の社寺を楽しむのもいいでしょうが、たいていの人はお風呂に入りたいとか、食事に行きたいとかで家路に向かうでしょう。JRの奈良駅も近鉄の奈良駅もすぐそこです。大人の遠足の締めくくりは人それぞれ、これからどんな楽しい思い出を増やしますか?ちなみに大阪に戻るコースでは鶴橋で銭湯に入って焼肉街に繰り出すというのもお勧めです。

こんな大人の遠足はどうですか?

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奈良公園
若草山山焼きガイド
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