向かったのは京都の紅葉の名所、「高雄(たかお)」。
急に寒くなったせいなのか、今年の紅葉は色が鮮やかじゃないように言われているし、寒いとは言ってもまだ11月の上旬で本格的に大阪周辺の山が色づくのはもう少し先。それならば、ちょっとバスに揺られてでも、ちゃんと色づいた景色を見に行こうということで高雄に決まり。
集合は正午にJR京都駅。京都駅の大階段のところにはもう立派なクリスマスツリーが飾られていて、そろそろ年末?という雰囲気が漂っている。
周山街道方面のバスに乗り込もうと思って駅から出ようとする前に、バス停前に長蛇の列が見て取れる。臨時バスも出ているが、その列の最後尾の方に並び、定員いっぱいの人を乗せて走り出したバスに揺られること40分ほどで「高雄」に着き、ほとんどの乗客が降りるので一緒に降りようかとも思ったのだが、どうせ運賃500円は変わらないのでそれから二駅先の「栂ノ尾(とがのお)」まで行くことに。
やっと座れたと思ったら、5分もしないうちに着いてしまう。バスを降り、すぐに高山寺を目指すべきところが、清瀬川に面した茶屋で軽く腹ごしらえをすることに。
座敷に座り、きれいな水の流れに生える紅葉を眺めながら、満員のバスに揺られた疲れを少し癒そうと思ってしまい、ついつい長居をしてしまった。
店を出て、バス道を引き返すように歩くと、澄み渡った空の「青」さに北山杉の深い「緑」の葉、その間に燃えるような「紅」、包み込むような「黄」、沸き立つ「オレンジ」の色が山肌に映える、まさに絶景が広がっている。
すぐに高山寺の裏参道の入り口。
ここから石段を登って石水院や鳥獣戯画など国宝に指定されているものなど鎌倉期からの重要な文化財の宝庫と言われている高山寺に入る。
九十九折の石段をテクテク登っていくと料金所があり、そこで入山料500円を払い、さらに登る。
何やら建物の壁が見えてきたら、そこで一旦階段が終わり国宝「石水院」の入り口の前に出る。
鎌倉時代の寝殿造りの優美さを見せてくれるのだが、いかんせん時間もなければ600円の入所料もかかる。 またここで鳥獣戯画のレプリカが見れるが、レプリカでは・・・。
石段を登り石水院の上にある「開山堂」へ。
紅葉に侘び寂びの利いた建物が良く映える。そこを後にしてさらに石段を登る。立派な杉木立の中を歩き「金堂」に着く。
昔はこの建物に金閣寺のように金箔でも張られていたのだろうか?目の前にあるお堂は立派ではあるが、金の輝きを見せてはいなかった。
金堂の前にある石段が表参道。幅の広い石段を下り、その下の石畳の通りを抜けて表門へ。
階段を下り、道路に出て清滝川を渡るあたりの紅葉も本当に色鮮やか。
駐車場の広場を過ぎ、川伝いに紅葉の廊下を歩く。とりわけ「西明寺」の橋の所から見る川べりの紅葉の美しいこと。
暫し時間を忘れて見とれてしまう。
西明寺も紅葉で有名だが、ここはやはり時間のなさで院内には入らないことにして、「神護寺」に向かう。
川沿いの道から見える西明寺の山肌の色鮮やかな「赤」に目を奪われる。そうこうしている内に神護寺参道前の茶店から香ばしい匂いが漂ってきているのに気づく。
紅葉で有名な高雄周辺の中でとりわけ有名な神護寺。
時間帯のせいもあるのだろうが、やはり一番人が多い。
朱色の欄干の橋を渡り、石段へと進む。これが結構長い。勢いよく登ると途中で息切れしてしまうかも。その息切れしそうなところにちょうど茶店があるのが憎い。
また見上げるときれいな紅葉が石段に沿って広がっている。そろそろ傾きかけた日差しが木漏れ日になって降り注ぐのもまた美しい。途中、さっき通った西明寺から神護寺までの道の方を見渡せるところがあり、川沿いの紅葉と、向こうの山の稜線が絵画のように見える。なおも石段を登り続けてやっと神護寺の桜門前にたどり着く。
この中に入ればまた素晴らしい紅葉の姿が見れるのだが、入所料を払うことより、下の茶店で休憩するほうを選んでしまった。
茶店の周りにある紅葉の眺めも良かった。でも陽がだいぶ傾き、暖かな日だったのに急に寒く感じ始めてしまい、早々と帰路につくことにした。
石段を下り、橋を渡り、そのまま真っ直ぐに進み、バス停のある高台の上までまた階段を上らなくちゃならない。
階段を上り詰めたところにバス停があるが、予想通りの長蛇の列。
来る時と同じJRバスに乗ろうかと並んでいたら、四条烏丸行きの市バスのほうが早く来たので、そちらの方に乗り込んだ。
市街地はいると渋滞に巻き込まれ、なかなか先に進まない。それに市街地に入ってから市バスはJRバスに比べてずっと停留所の数が多い。
結局、四条大宮に着いたのはすっかり暗くなってから。ここから大阪に阪急電車で帰ることにしたが、その前に軽く打ち上げ。
紅葉談義に花が咲いた。
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