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レポート


「須磨アルプス」ハイキングレポート

今回は六甲全山縦走路の西の基点「須磨浦公園」の鉢伏山から横尾山、馬の背、東山までの「須磨アルプス」と呼ばれているコースを紹介します。
このコースは実は今年初めてのハイキングで歩いたのですが、カメラを忘れてレポートが書けなかったところ。
時間をかければ年配者でも子供連れでも十分歩けるコースで、神戸から淡路島や姫路の方までがはっきり見える見晴らしの良さ、また砂岩の岩肌がむき出しになった両側が崖の尾根「馬の背」は、ちょっとスリルを味わえたりもして、楽しんでもらえると思います。
それではご案内しましょう。


参加メンバー長い間ハイキングレポートから遠ざかってしまいました。
更新をしないので、最近はめっきりこのレポートを読んでくれる人も少なくなってしまって、これではいけないと一念発起してレポートを書いてます。
2003年4月の29日、旧天皇誕生日、現在「みどりの日」、天気は快晴。もう初夏といってもいいほどの陽気の中、山陽電鉄の須磨浦公園に降り立ったのは11時頃。これといったイベントがある風でもないのに、ゴールデンウィークの真っ只中、駅前の公園ではバーベキューをしているグループなどもいて、休暇を楽しむ大勢の人で賑わっていています。
「六甲全山縦走路」はこの須磨浦公園の「鉢伏山」からはじまり「菊水山」や「鍋蓋山」「摩耶山」そして「六甲山」を経て宝塚まで続きます。
「須磨アルプス縦走路」はこの縦走路の西の端の部分で、メインは「栂尾(とがのお)山」から「横尾山」の間の山の稜線が風化して出来た砂と岩のダイナミックな景観を持つ場所。この駅には鉢伏山の山上遊園までのロープウェイがあって簡単に山上まで行けますが、それではハイキングに来ている意味がないので、つつじがきれいに咲いているスロープを登り始めます。
山陽電鉄の線路を下に見て、敦盛橋を渡ると車道沿いに登って行く緩やかな道と階段がメインの「近道」と書かれた道に分かれます。ちょっとハイキングをサボっていたのを反省するため、今日はきついほうを歩くことにして階段を登ります。あせらず、こまめに休憩を取って登ればそんなにしんどくもないのですが、はじめにペースがつかめないで、無理をしてしまい途中で息切れしてしまう人がよくいます。呼吸の乱れを少し感じるくらいになったら、周りの景色を眺めながら歩きましょう。
右に左にと続く階段をエッチラホッチラ登り、屋根のある休憩所にたどり着きました。ここからロープウェイの駅はすぐそこ。ロープウェイの駅があるのは山頂じゃありません。
山頂はそれからもうちょっと登らなくてはなりませんが、駅の横に東部展望台があり、そこから大阪湾を一望します。
ここで、今日の風のものすごさに気づきました。帽子は手で押さえておかないと飛ばされてしまうくらいで、近くの人の会話も良く聞き取れないほどの強風。この風のせいで、後でだいぶ時間をロスしてしまうことになるのですが、その話は後ほど。風は強いものの、明石海峡大橋から淡路島、神戸の街並みと深い青色の海に白い尾を引いてゆっくり進んでいるように見える沖の船の姿など、見ているだけで心がすがすがしくなりますよ。体が冷えないうちに上に見えている白い展望台のある山頂を目指します。
歩けない人は山頂までリフトカーがありますが、100段ほどの階段ですから使わなくても大丈夫でしょう。この山上まで上がらなくても階段の途中で縦走路に入れますが、休憩をかねて景色を味わいたい人は登ってみてください。山上の展望台は1階が食堂で、2階がゲームセンター、3階が回転展望台のレストランになってます。
展望台の前の広場を奥に進み、「須磨アルプス縦走路」と書かれた杭の横を通って林の中に入り、そのまま真っ直ぐ歩くとすぐに縦走路に出るので、後はこのしっかりした道をただ行くのみ。
まず目指すのは旗振り峠の「旗振茶屋」ですが、きつい登りもなく直に到着。ここから稜線伝いに歩く縦走が始まります。次に目指すのは「鉄拐(てっかい)山」。少し上りはあっても楽勝でしょう。
このあたりからさっきまで見ていた須磨海岸や神戸の景色とは違う景色が左側に見えてきます。
山のすぐ傍に広がる住宅がきれいに並びそろった塩屋や朝谷の景色で、山を歩きながら少し下にある家を屋根越しに見て歩いているような感覚がします。あまりきつくない上り下りの道を旗振茶屋から15分くらいで標高234mの鉄拐山の山頂。
ここが山頂なんだと言うくらいのところ(気が付かずに通り過ぎるかもしれません)で、それからも縦走路の標識に沿って歩きます。また15分ほど行くと整備された階段が現れ、それを下ると展望台やレストランなどがある公園です。

 

右側に神戸港や大阪平野、左側に高倉台の住宅群から明石海峡大橋や神戸総合運動公園などが一望でき、景観は最高。

 

この公園を突っ切ると、眼下に高倉台の団地が広がります。
実はこの高倉台はもともと山だったところ。その山一つを丸々削り取って山の裏側と直結した住宅地を造成したわけです。で、削られた山の土砂はどうなったのかと言うと、これがポートアイランドの埋め立てに使われたそうです。山を海に移すことで、2倍の造成地にしてしまったと言うことですが、大胆な発想です。また、かの松下幸之助さんは生駒山を削って大阪湾を埋め立ててはどうかと真剣に考えていたとも言います。確かに山が平地に変わって便利にはなるんでしょうけど、便利を求めて自然の形を変えてしまうのはどうも納得いかない思いもするのですが・・・。
話を戻して、足元に見える高倉台の団地群に向かいます。幅の狭いコンクリート製の階段を降りて行くのですが、これがとても長くて、今まで登ってきた分がチャラになってしまいそうなくらい。やっと階段を下りきって、橋を越え、団地の中に伸びる路に入ります。住居地区を歩くので昼間でもマナーを守って歩きましょう。
ショッピング街を通り、銀行の横のスロープを登り、次の住宅街に入って振り返ると、さっき長い階段を降りてきた山肌がきれいに見えます。住宅街の短い道を過ぎると道路を渡る橋があり、その突き当りの階段を登ってから左に折れて、道路を下に見ながら歩いていきます。自動車道の高架傍まで来ると階段が出現。手すりが階段の片側にしか付いていません。
見上げるとずっと山の上の方まで続いています。呼吸を整えて、覚悟を決めて上り始めましょう。30段くらいずつに踊り場があり、踊り場二つごとに休憩のベンチが設けられていているので、こまめに休憩を取って上りましょう。
ベンチに座れば明石海峡大橋がきれいに見えると思います。
およそ300段の急な階段が終わってハイキング路に出ますが、まだもう少し階段状の登りが続きます。息を切らして上り詰めると、「須磨離宮公園」や「横尾山」と矢印のついた標識がありますが、まずはすぐそこの栂尾山の頂上にたどり着きましょう。
山頂には展望台が組まれているのでそこに上って、瀬戸内から播州、神戸、大阪平野、三木方面の眺望をグルッと楽しめます。
ここからさっきの標識の「須磨離宮公園」に向かえば、入場料を払うゲートも無く須磨離宮公園のアスレチックの広場に入れてしまいます。もちろんそこから須磨離宮公園も植物園にも行けてしまいます。公園の利用料は400円(小人200円)ですので、公園を出るときに利用料を払いましょう。子供連れで来ている人はこのコースに進んで、きれいに整備された公園の季節の花々を見に行くのもいいものです。
でも今回はこのまま縦走路を進み、標高312mの「横尾山」に向かいます。
横尾山を越え、足元に砂を目にすることが多くなってくると、いよいよ須磨アルプスの始まりです。
手を使って下りなければならないような岩場が出始め、両側にある緑がいきなり消えて展望が開けると、そこが須磨アルプスの中心部。山の尾根の部分に風化したごつごつした岩場が続いています。ここからは足元に十分注意して歩きます。
手足を使い鎖にしがみついて岩を登ると、今度は岩に張り付いたような階段を下りていきます。

 

目の前に両側が崖の、いわば大きな平均台が続いているといった感じの道が現れました。
ここが名勝「馬の背」。この日は特に風が強かったことはもう話しましたが、馬の背を渡るところで女性3人組が強風にあおられるのが怖くて立ちすくんでいるため、ちょっとした渋滞になっていました。人ひとりがやっと歩ける幅の道の両側が崖なので、確かに怖いですね。
怖いのは分かりますが、少し渡り始めてすぐに戻ってきてしまうので、渡るのか渡らないのかはっきりさせてください。
先に渡らせてもらったのですが、渡りきってからも気になってしばらく見ていましたが、同じことを繰り返していて当分渡りそうにありませんから先に進むことにしました。
岩場を登り、山道に出るとしばらく登って東山の広場に到着。
展望のいい広場の端に行くと、馬の背がきれいに見え、さっきの女性3人組が何とか少しずつ進んでいくのが見えました。

 

東山から縦走路をさらに進み、山の切れ間に当たる禅昌寺に出て板宿駅を目指そうかと思いましたが、人の多いのを避けようと思い、東山から南に下って高尾台に向かうことにしました。静かな山の道をのんびり歩き、いくつか上り下りを繰り返して巨大な鉄塔を2つ超えてしばらくすると、木々の向こうに住宅の姿が見えてきました。
住宅街のはずれに出るとき、消えかけの須磨アルプスの標識が立っていました。
住宅街の坂をどんどん下りの方向に進んでいけば、高尾台の入り口にバス停があります。そのままバス道を下っていけば須磨離宮公園の植物園の入り口に出ますが、公園をのんびり散策する時間も無いため、今回はここからバスに乗って須磨に出ることにして、ここで須磨アルプスのハイキングを終わります。

 

 







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