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1 「新世界」
大阪のシンボルのように言われる通天閣のある街「新世界」。
なのに、なぜか大阪の人でも行ったことがない人が結構いたりする。
今回は大阪らしさがいっぱい詰まったこの街を紹介します。



「新世界」を訪れる方法の一番わかりやすいものが、今回紹介するJR大阪環状線「新今宮」から向かうコースです。
地下鉄「動物園前」ならばジャンジャン横丁のすぐ南側に出られます。
地下鉄「恵美須町」は電器の街日本橋の南側の入り口ですが、通天閣の北側の新世界本通りにも出られます。
また少し歩くことになるが、JR、近鉄、地下鉄の「天王寺」から天王寺公園と動物園を経由して(天王寺公園の北側を通れば入場料はかかりません)新世界に行けます。
青空カラオケや大道芸とかも見れるので、このコースもなかなかお勧め。

JRの環状線「新今宮」駅に着いて、ホームから周囲を一望してみる。にぎやかな色彩の建物の向こうに「通天閣」が見える。東改札口から出ると、左斜め前にホームから見えていたにぎやかな建物が目の前にある。
「フェスティバルゲート」という大阪市の第三セクターが運営する入場無料の遊園地で、今では新今宮側からの新世界への入り口としてすっかり定着している。

エスカレーターを上るとメリーゴーランドが吹き抜けの空間にどっしりと構えていて、華やかな、でも、のどかな音楽を奏でて回っている。それを取り囲むように小物のショップや飲食店が並び、奥に続いている。ここは遊園地だが、吹き抜けを形作っている建物には、4階までいろんなショップやアトラクション施設が入っていて、アミューズメントとファッション性を兼ね備えた商業ビルでもある。
 
ここのとこ、入場者が減少している上、不況の影響で空き店舗が目立ってきているのが大阪市民としては気にかかる。
施設としては申し分のないところだし、元気な店がどんどん入って来るように考えて欲しいのだが、それって難しいことなのかな?そんなことを考えていると、頭の上をジェットコースターが走り抜けていった。
ここのジェットコースターは、距離は短いのだが、建物の下を潜り抜けたり、壁際を走ったり、ビルの上から放り出されそうな感覚になったりと、結構スリルがある。
この日はジェットコースターからの絶叫も大きく聞こえた。
今日は少し客も多いのかもしれない。他の乗り物からも歓声が聞こえてきている。
 



日替わりのライブをしているステージの横を通って、隣接しているビルとつながっている通路に出る。
このビルは世界の大温泉と銘打っている「スパワールド」。こちらは民間の企業が大阪市から借りて運営している。民間なのがいいのか、温泉ブームが続いているせいか、宣伝が行き届いているせいか、とにかく客は老若男女を問わず入っている。
でも今日はここでくつろぐ予定じゃない。入り口の前で左を向くと、真正面に新世界のメインストリートがはしり、そして「通天閣」がそびえている。
いつもの下から仰ぎ見ているのとは違い、少し高い位置から見る通天閣もまたいい。
新世界のシンボルというより、大阪のシンボルといってもいいこのタワーは、もう高さではこれといって自慢するほどのものでもなくなってしまったが、他の有名なタワーと比べて、デザイン的にはかなり優れたきれいなタワーだと、見るたびに思う。
通天閣に向かって歩き始める。
大階段を降りながら右手を見ると、以前射弓場があったはずのところの一部に、火事の痕跡らしい焼け焦げた壁がそのまま残っている。
階段を降りてしまえば、昔とは比べ物にならないくらいきれいに飾りレンガで舗装された道路や洒落た街灯が立っていても、そこは新世界そのものの雰囲気、匂いがする。
しかし此の頃はテレビの影響で地方からの観光客も増え、明らかに修学旅行の生徒だろうとわかるグループや、ガイドブックを見ながら大阪弁を話していない女性たちがカメラを手にして闊歩している。
汚くて怖い街というイメージを持っているのは、もう大阪の人だけなのかもしれない。

 



全国の6割のふぐを消費する大阪にあって、ふぐ料理店の代名詞ともいえる「ずぼらや」の名物のふぐの大堤燈の下まで来た。
秋から冬にかけてはふぐが本当においしい季節で、てっさ(ふぐの刺し身)に、てっちり(ふぐ鍋)、ふぐ皮の湯引き、唐揚げと、寒い季節の大阪にはなくてはならない味。
最近ではコラーゲンが豊富だとかで、女性の間ですごく人気になっているらしい。
大阪では庶民でも食べられるくらい安い店も多いが、地方ではまだまだ高級なもの。
大阪に来た時には是非ともふぐをたこ焼きやお好みと同じように味わって帰ってもらいたい。

すぐそこに見えている通天閣には向かわずに、右に曲がることにする。
角に「日よし食堂」がある。
この店を取り囲むにぎやかしい和洋中なんでも有りの立て看板みたいなメニューを見ているだけでも楽しい。
ちょっと強い台風が来たら今度こそヤバイんやないかって思ってしまう木造の建物で、中はどちらかというと少し暗く感じる。
普通の食堂のテーブルに丸椅子、混んできて座る席がない時は自分で隅に重ねられている丸椅子を出してきて席を確保する。
大部分の地域では冷奴の煮付ける薬味といえば下ろし生姜だと思うが、大阪では冷奴の薬味に練りからしをつけたりする。でもこの食堂では練りわさびがついてくる。他にもいつも食べているのとはちょっと違う、かなって経験が出来るかも・・・。

 



「マルトミ」の角を右に曲がり、「ジャンジャン横丁」というアーケイドのある商店街に入る。
この商店街も天王寺・阿倍野地区の再開発計画の地域に入ってから、ここでの商売に見切りをつけて出て行った人も多く、シャッターが下りたスペースがいくつもある。
数年前までこの商店街の存続事態も危ぶまれていたが、不況の波が再開発計画を押しとどめることになり、アーケイドも新しくして、観光客を迎え入れている。
この商店街はまず通りが狭い。
その狭い通りの両側に、飲食店を中心とした店舗が連なっている。で、必ずといっていいほど人だかりや行列が出来ているところがある。
ひとつは店の中で対局している囲碁・将棋を通りからガラス越しに見ている人たちがいるところ。
もうひとつはこれも大阪の味、ドテ焼と串かつの店。
この商店街の中央くらいに同じようなつくりをした店が二件、軒を並べているが、日によってどちらの店に行列が出来るかわからない。もちろん両方に行列が出来ることも珍しくない。
関西独特の表現とも言われるが、「二度づけ禁止」。串かつを食べるとき、ソースの入った器に同じ串を二度いれてはいけないということ。
つけたソースで足りないときには、前にあるキャベツや他の串かつにソースをたっぷりつけて、足らないものにかけることに成っている。揚げたての串かつは文句なしの旨さ。ドテ焼は細かい毛までちゃんと抜けているかが味の決め手。味噌の香りと甘さに七味の辛さ、そしてやわらかくなったドテのほのかに染み出してくる甘味が混ざり合って最高の酒のあてになる。
 



「ジャンジャン横丁」に入ってきた道を戻り、「マルトミ」の前でまた右に曲がる。
すぐ右手にパチンコ屋のような店のつくりをしているが、何か違う雰囲気を漂わせている店がある。
スマートボールの店。今では縁日ぐらいでしかお目にかかれない遊具が、パチンコと同じように18歳未満禁止のギャンブル(?)として楽しめる。
乳白色の玉がガラスの上を転がり落ちてくるのを、ひとつずつ落とし込んでは打ち、思っている穴に入るかを確認して、そして次のを打つといった、なんとものどかな、今ではとても贅沢な遊びかも。
ここも観光客らしい若者でにぎわっている。

そこを出て「天王寺動物園」の西口のほうに足を向け、次の広い筋を左に曲がる。
何を売っているかわからない不思議な露天商やパチンコ屋があり、その並びに大衆演劇専門の「朝日劇場」がある。
以前は数件大衆演劇の劇場があったが、今ではここだけに成っている。
とは言うものの、大衆演劇の人気は未だに根強いものがあるみたいで、劇場を飾る大看板や立看板と写真を写している人も多いし、花束を手にしたおばちゃん連中が連れ立って何組も入っていくのを見た。
朝日劇場の向かいのバラエティーショップのような小物屋では、以前は表の腕時計の陳列ケースを台にして、独特の節回しとダミ声で大勢の人を集め、威勢の良い叩き売りを披露していた。
タダみたいな値段からどんどんと競り上がっていく物、バナナの叩き売り同様、高い値段から買い手がつかなくてどんどん安くなっていく物など、品物の値段ってこういう風に決まるのかと感心させられたものだが、残念ながらその叩き売りもやめてしまったようで、今は威勢のいい声も聞こえてこない。
ここでも名物がひとつ消えてしまったか・・・。ただこの店も、何でこんなものここで売ってるの?と思うものを置いているので、興味のある人は要チェック。
この店の裏には白壁のレトロな映画館がある。新世界には映画館が多い。さすがにロードショー館はないが、古き良き時代の映画なら思いっきり楽しめるかもしれない。ビルの中に入ってしまった映画館もあるが、何軒かは外観からして映画以上にレトロな雰囲気を楽しませてくれる。洋画もB級物を中心に3本立て。全部見るにはかなりの暇が必要。ポルノ映画館で、ホモのおじさんたちに声をかけられてみるのも、大人になる勉強かも。

街角に立っているおじさんたちが掲げ持っている看板を見ると、新世界界隈の旅館(ホテル)の何軒かが建物をそのまま利用して個室ビデオ試写室をしている。昔あった店がなくなるだけじゃなく、昔のままの姿を残しながら新しいものを取り入れていこうとする強かさもある。
変わらないモノを持ちながら、でも、時代の流れに合わせ変わっていく街。まだまだ変わっていくのだろうが、ずっと変わらないモノを持ち続けてくれそうな街。そんな新世界の町並みを確認しながら、通天閣の下に出る。
今、ゲームセンターになっている場所に、昔、新世界名物の「びっくりぜんざい」があった。通天閣の上から足元を見ると、上からも読めるように看板が掲げられていたことを思い出す。どんなもんなんやろって思い、その店に入ってびっくりぜんざいを注文したら、びっくりというより、笑いが出た。さすが大阪!って感じ。


通天閣に上ってみることにする。円筒形のエレベーターに乗り込んで二階に行く。ここが通天閣の下の展望台になる。ここまでは無料。ここからでも大阪の南界隈は一望できる。500円を払って、タワーの中心部分を通っているエレベーターに乗る。速いエレベーターに乗り慣れているので、このゆっくりさに少々いらついたりもするが、通天閣を紹介するアナウンスに耳を傾けていると、まあ、焦ることもないと思えてくる。通天閣よりも高い建物も大阪でさえ珍しくなくなってしまったが、展望室からの眺めは遠く生駒、六甲、関空まで見渡せ、すこぶる気持ちがいい。そして通天閣のマスコット、映画にもなった「ビリケン」さんの足をくすぐって帰ることにする。
通天閣の下では、ちょうど通天閣歌謡劇場が開演するとこらしく、あわただしく人が出入りしていた。ここもテレビドラマで取り上げられて注目され始め、それから変わらない人気を保っているみたい。当然通天閣を頭につけて歌うあの人も出ている。
歌劇場の入り口のすぐそばには坂田三吉の記念碑。将棋の天才といわれながら名人になれなかった坂田三吉の一生を描いた映画「王将」(村田英雄の「王将」も当然坂田三吉を歌ったもの)にちなみ、将棋の駒の王将の形をしていて、ここは記念撮影をしている人がいつもいる、人気のスポットのひとつ。

通天閣から地下鉄の恵美須町の駅までが本通りで、いろんな商店が並んでいる。
この近辺には、狭い個室で頭だけを出す箱型のサウナを置いたマッサージ屋とか、かなり昔から雑誌などで取り上げられている老舗の洋食屋とか、高級うなぎ店とか、ふすまがゆがんでいて隣の様子が丸見えの旅館とか、ちょっと気になる、ついつい入ってしまいたくなるところがいっぱいあるのだが、その紹介は次の機会に。
しかし、ここはなんと言っても地元の人たちの生活の場所。観光客が立ち寄る店や市場、商店街の中でも、ここで暮らす人たちの声が響いている。大阪を代表する下町独特の雰囲気を守り続けているのは間違いなくこの人たち。この人たちが、店を覘(のぞ)く度、言葉を交わす度、新世界にいることを感じさせてくれる。
飲食費の安さ、誰でも受け入れる気安さをもっと大勢の人に知ってもらって、あと何か偏見を持っている大阪の人たちにとっての来易さが加われば、この街はもっともっと楽しい街になっていくと思う。

レトロさのいっぱい詰まった都会のオアシスを後にして、新世界のすぐ北側にある大阪のハイテクタウン、日本橋に向かった。


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